2009.01.12
肉体の門
東京大空襲をはじめ、主要都市が壊滅的な打撃を受けた太平洋戦争。広島そして長崎に原爆が落とされ、昭和20年8月15日、日本は敗戦を迎えた。
翌21年――。
東京・有楽町の闇市は戦後の荒廃と新たな活気がすでに渦巻いていた。闇市では高値だが食べ物も並んでいた。復員兵の姿、労働者たち、主婦や子供たちまでもが、食べることを求め、生きることを求め、闇市をうろついていた。だが、黄昏が迫るとそこには戦前には見られなかったパンパンと呼ばれる夜の女たちが出現した。どこからともなく現れ、ガード下で男たちの手を引くのだ。だが、女たちの表情に暗い影はみじんもない。みな生きるためのたくましさにあふれていた。
その中に浅田せん(観月ありさ)というひとりのパンパンがいた。せんは一風変わっていた。女たちは男の目をひくためにスカートをはいていたが、せんはズボン姿。だが、奇抜ないでたちでかえって男たちの目を釘づけにしていた。鉄火肌なせんだが、彼女の瞳にはどこか遠くを見つめているような悲しみが宿っていた。
せんの仲間たちは、お六(田中美里)、マヤ(国分佐智子)、美乃(雛形あきこ)、千恵(山田まりや)。崩れかけた廃墟ビルをねぐらにしていた。お六は8歳で郭に売られた女で、今は仲間たちのリーダー的な存在。マヤはボルネオの戦地で兄を亡くし、美乃は茶目っ気たっぷりの食いしん坊、千恵はみんなの妹のような存在だった。
せんは、ある日ふらりとお六たちの仲間に入ったのだが、彼女の素性は誰も知らない。ただ、せんはいつしかみなの憧れる存在になっていた。スラリと伸びた背、愛くるしい表情が女たちの心を捉えていた。せんはどこから見てもパンパンなどやるような女には見えなかった。
キャスト:観月ありさ 三浦理恵子 国分佐智子 中村獅童
◇Pandora 1-1



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